《 管弦楽法の大家 》 【 交響曲 第1番 作品1 】 ロシア国民楽派「5人組」の最年少者のリムスキー=コルサコフは 貴族系の父の領地で生まれた。 幼児から音楽の才を示し、6歳からピアノの稽古を始め、 9歳で作曲をしている。 両親は彼の楽才は認めていたが、特別の教育をする考えはなかった。 父は官吏だったが、一族には海軍の軍人が多かった関係から、 12歳で海軍兵学校に入学し、士官候補生として、 6年間ここで過ごした折、本格的な芸術音楽に接した。 遠洋航海の生活を3年間経験しているが、彼の作品に 東洋的な情緒感が漂うのはそのときに東洋の国々の港に 寄港したときの体験によるものだ。 後に、海軍軍楽隊の指揮者をした経験から、管弦楽の使用について 様々な知識をもったことは、オーケストレーションの 完成のうえに非常に役立った。 彼の管弦楽は、色彩的であると同時に清明な輪郭をもっており、 彼が本領とした標題音楽において、極めて効果的なものとなった。 ロシア初の交響曲と呼ばれている「交響曲 第1番」は、 1861年から1865年にかけて、バラキレフの指導のもとに作曲された。 1884年になってこの曲は改訂され、大幅な書き換えや追加が行なわれた。 調性も変ホ短調からホ短調に移調し、演奏しやすくした。
第1楽章 Largo assai-Allegro 第2楽章 Andante tranquillo 第3楽章 Scherzo:Vivace-Trio 第4楽章 Allegro assai